不動産鑑定評価と担保の関係は?

Pocket

不動産担保があるソーシャルレンディング

今回は、担保評価について書いてみました。

気になった記事は、HEDGE GUIDEさんの5月4日の記事です。

担保は大辞林によりますと、次のように書かれています。

債務不履行の際に債務の弁済を確保する手段として、あらかじめ債権者に提供しておくもの。質権・抵当権などの物的担保と保証人などの人的担保がある。

したがって、ソーシャルレンディングの場合、融資先が何らかの事情で返済できなくなった場合に、その不動産担保にて、弁済されることを確保していると言えます。

ちなみに、ソーシャルレンディングとは、これも大辞林によりますと、次のように書かれています。

インターネット上で資金の貸し手と借り手を結び付ける金融サービス。

つまり、ネットを通じてお金を貸しているのに対して、不動産で弁済されることを確保しているということになります。そして、この場合の不動産担保の価値の判定に、不動産鑑定評価書が使われています。

確実な返済は可能か?

この場合において、「確保」しているということと、「確実に返済される」とは異なります。

ここで私が言いたいのは、不動産鑑定評価には「価格時点」という概念が存在するということです。

価格時点は、鑑定評価の「基本的事項」として、対象不動産、価格又は賃料の種類とともに定められているほど重要な事項です。不動産の価格は、時の経過により変動するのは当たり前ですが、担保という概念になった時には、その考え方はどこかに行ってしまうことが多くなります。

つまり、「不動産鑑定評価額が100%あります」と言っても、それはその「価格時点」での話であるということなのです。

抵当証券の時に

その昔、抵当証券というものがありました。(まだ、制度的にはありますが、実物の証券はないのだと思います。)抵当証券は、野村證券さんのHPから引用しますと、次のように書かれています。

土地・建物など不動産の抵当権付き貸付債権を、小口に証券化した金融商品のこと。抵当証券会社が不動産融資先の債務者の同意を得て登記申請を行い、法務局(登記所)が抵当証券を発行する。抵当証券の本券は、抵当証券保管機構が保管し、購入者には抵当証券会社が発行する取引証(モーゲージ証書)と抵当証券保管機構が発行する保管証が交付される。

いわゆる不動産小口証券で、今なら不動産特定共同事業による持ち分みたいな感じかと思います。

これが、平成の1桁のころにたくさん発行されていましたが、バブル崩壊以降右肩下がりの不動産市況により、ほぼ元本割れするということがおきました。不動産鑑定評価書はついていました。当然、発行時点の価格です。発行時点では100%であったわけです。

何度も言いますが、「不動産の価格は変動する」わけです。

不動産鑑定評価基準に戻りますが、価格時点は、

評価を行った年月日を基準に、現在時点、過去時点、将来時点に分類される。評価においては、現在時点が原則である。過去時点については、対象不動産の確認等が可能であり、必要な事例等の資料が収集可能な場合に限られる。将来時点については、全てが想定、予測による評価となるため、鑑定評価については原則として行うべきではないとされる。

将来時点については「想定、予測」であるとされており、「評価を行うべきでない」とまでされているわけです。

リスクとリターン

ここまで書くと、担保があっても、ソーシャルレンディングは危ないと誤解するかもしれませんが、それは間違いです。リスクがあるからリターンもあるということです。

担保が確保されていて、利回りがとれるなら、良いですよね。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で