負動産と不動産鑑定士

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「負動産」の末路

ニューポストセブンに衝撃的な記事がありました。

ちょっとだけ引用させていただきます。

昨年8月、全国紙に衝撃の記事が掲載された。相続で得た新潟県湯沢町のワンルームマンションを、115万円の費用を払って所有権を譲渡したという人の話。つまり所有者がお金を払ってその業者に所有権を移転してもらうという構図である。

要は、お金を払って不動産を引き取ってもらったということで、それはもう「不動産ではなく負動産」であるということです。

価値がマイナスの不動産

土地の鑑定評価を行う場合には、建物が古かったり、陳腐化していたりして、取り壊して更地にした方がよい場合があります。その場合は、更地の価格から取り壊し・撤去費用を控除して価格を求めることになります。

この場合に、要は取り壊し費用の方が更地価格より大きくなってしまう場合というのは現実的に存在しつつあるということなのです。

当たり前ですが、土地価格は下がり続けています。建設工事関係費用は上昇しています。場所によっては、逆転することもあるはずです。

収益還元法の観点からも、同じく、固定資産税などの固定費に対して、受け取れる収益の方が小さい場合には、いわゆる「純収益」がマイナスになるケースもあろうかと思います。

実際の取引では?

宅建業者さんに聞いてみたところ、やはり、実際の取引でもそのような事例が出てきているようです。

事例1

田舎の大きな農家ですが、300坪の宅地、100坪の家(古い)、1000坪の田(農地)、ついでに3年目の軽トラ。
当然、農地があるので、誰でもが買うわけにはいきません。近所の農家の方も、宅地や建物はいらいないという状況です。

結果として、農地は近所の農家の方が100万円で。残りの宅地、建物、軽トラは農家で無い方が70万円で購入されたとのことです。

冷静に考えると、3年目の軽トラの価格=70万円ではないか?ということで、マイナスになるにはもう一息です。

事例2

10年以上前から、相続により、更地で駐車場の30坪の土地。隣の方に売りにいったのですが、不要とのこと。今回、そのお隣の方もお亡くなりになった結果、駐車場で借りてくれる方もいなくなり、買ってもらえる宛もなくなりました。

2つの土地、まとめてならどうかということで、境界確定をしようかと所有者(相続人)に投げかけたところ、土地家屋調査士に払うお金がもったいないとのことで、境界確定できず。

最終的には、境界はどうでもいいので、もらって欲しいとのことで、さらに反対側の土地所有者に交渉するも、固定資産税がすでに住宅用から駐車場(いわゆる雑種地)になっているので、負担が大きい(大きくはないですけどね)とのことから、引き取ってもらえずということに。

そもそも、贈与で渡した場合の、宅建報酬はどうなる?って言ってました。

まとめ

結果として、「負動産はババ抜き」の世界に突入しました。

 

 

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