空き家対策で不動産鑑定士の仕事(収入)は増えるか?

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空き家対策法とは?

ニュースなどで、古いビルの外壁が落下し、危うく通行人に当たりそうになったようなケースや、実際に大ケガになった事件も見たことがあると思います。建物はメンテナンスをしないと必ず朽ちていくものです。

個人の持つ空き家が、このようなビルと同じように被害をもたらすとは思えないところですが、それでも老朽化の結果、付近や周辺に悪影響をもたらす可能性は十分にあります。

また、空き家の状態での放置により、中で子供が火遊びなどをして、火災になってしまったようなニュースも見たことがあります。

このような状況で、今後さらに空き家が増えることを想定する中で、国策として空き家対策を進める必要性が高まってきました(というか、もう高まっていました)。
結果、「空き家対策法」の制定により、市町村の空き家対策を、法律面から支えたのです。

空き家対策法とは正確には「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。

条文は、ややこしく書いてありますので、要約してみます。

  • 空き家等とは、居住使用がなされていないことが常態であるものを指す
  • 特定空き家とは倒壊等危険な状態にあるもの指す
  • 空き家等が地域住民の生活環境に影響を及ぼしている
  • 生活保全、活用促進に関する施策の策定について定める
  • これらの空家等の活用を促進、施策を総合的かつ計画的に推進する

これらの目的を達成するため、国が基本方針を策定し、市町村が空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めるとされているわけです。

取り壊し最有効

不動産鑑定評価の手順において、取り壊し最有効という考え方があります。

「取壊し最有効価格=更地価格-建物取壊費用」で求めます。

不動産鑑定評価基準では

建物を取り壊すことが最有効使用と認められる場合における自用の建物及びその敷地の鑑定評価額は、建物の解体による発生材料の価格から取壊し、除去、運搬等に必要な経費を控除した額を、当該敷地の最有効使用に基づく価格に加減して決定するものとする。

と示されています。

自己所有の不動産で、古い建物が土地上に存在する場合の不動産価格を求める際に用いられます。(実際は、最有効使用が問題ですが)

古い建物の価値

古民家鑑定士さんのHPによりますと、

古民家鑑定はその建物の築年数や構造、増改築歴などの基本情報をもとに調査をする。宅地建物取引業法や不動産鑑定評価に関する法律に基づくものではないのだが、家屋に使われている伝統的な資材、建具の出来栄え、大工技術といった文化的価値の側面から古民家を評価し、建物評価額を算出する。古民家は、日本の伝統文化です。

とされています。

これはこれで、間違いだとは思えませんで、いわゆる「経済合理性」とは違うところに答えがあるように思います。

不動産鑑定士の仕事は増える?

一般財団法人日本不動産研究所「不動産鑑定士の専門性を活かした業務の事例(2016年)」によりますと、空き家の分野では、

  • 公共施設等総合管理計画作成支援
  • 売却可能資産、棚卸資産の時価把握
  • 固定資産台帳の整備支援
  • 財務諸表作成支援

などが、不動産鑑定士の仕事として見込まれているようです。

しかし、「経済合理性」を追求した価格を求める不動産鑑定士として、「経済合理性」を追求しない結果としての「空き家」問題にどう関わっていくかはなかなか難しいところだと思います。

まずは、窓口や相談会とかへの積極的関与ですかね。

下記は、わかやま新報さんの記事で「空き家活用の強化月間 5月に相談窓口等」。「不動産の価格・賃料・評価=県不動産鑑定士会」とされています。

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